なつかしのアップルシティ

 日頃はめったにこない新宿に、今月3回目の来訪。しかしいつきても、何度きても、人が多すぎる街だよなぁ。僕みたいな東京生まれで東京育ちの根っからの東京っ子でも、この街は普通に疲れる。もちろん、それでもまだ渋谷よりはマシなんだけども。
 いちおう大学は新宿の近くだから、学生時代はよく新宿で呑んでた。社会人になってからも、まあ20代とか30代の初め頃まではそれなりに行ってたし、疲れもしなかったんだけど、やっぱり僕も歳を取ったってことかね。たぶん、渋谷が生理的に合わないことはハッキリしてるんだが、新宿で疲れるのはそういうことではなくて、年齢のせいなんだろな。さみしいけど、それは認めざるをえない。ギャフン。
新宿NSビル 歳のせいといえば、昔のことばかりなつかしむようになったのも歳のせい。きょう行った新宿NSビルは、僕が中学生の頃、「アップルシティ500(ファイブオーオー)」の公開生放送をやっていた場所なのだ。……といっても、放送が1982〜83年という遠い昔で、しかもTBSローカル(たぶん)だったこの番組のことなんて、いまや知らない人のほうが圧倒的に多いだろうなぁ。
 平日、夕方5時から1時間。この時間帯にピンときた人は、きっと正しい。かつては同じTBSで「ぎんざNOW!」、のちにフジで「夕やけニャンニャン」が放送された、由緒正しきあの夕方5時である。アップルシティはぎんざNOW!と夕ニャンという二つの強烈な由緒をつなぐ位置に、さほど大きなムーブメントも起こさずに存在した、でもあの頃の少年たちにはそれなりに強烈な印象を残したプログラムなのである。
 その生中継の会場が、新宿NSビルだったってわけ(会場は固定ではなくて、ほかに日比谷シティなどからも放送していた)。曜日によってちがうMCがいて、石川秀美がたしか金曜のMCだった。ほかに、伊藤さやかとか出てたなぁ。三田寛子もだっけ? 石川秀美ちゃんが好きだった僕も、NSまで何度か足を運んだ。中学2年、3年の頃。つまり四半世紀よりもっと昔の話である。ミハイル・ゴルバチョフはまだソ連共産党の書記長になっていなかった。
 アップルシティ以降も、新宿NSビルに入ったことはたしか2、3度あったと思う。でも、それにしたってかなり以前の出来事のはず。21世紀になってからは初めてかもな。そんなわけでひさびさに見上げたNSビルだけど、27、8年前の当時のなつかしさは、ほんのちょびっとだけ甦ってきた。「涙のペーパームーン」、「Hey!ミスター・ポリスマン」。あれらのメロディーを思い返すだけで、ドキドキしてきた。
 あの頃のアイドル歌謡は、とにかく熱かった。
 
 (18:26)