南アフリカ旅日記 〜day0 前編〜

 帰国して3日、ようやく落ち着いてきた。
 今回の南アフリカ旅行をまとめるにあたっては、どうしても、その準備段階から筆を起こさないといけない。それほどまでに、前回のドイツ大会と比べて、今回の南アは用意が大変だったってことだ。
 前回と同様、基本となるのは、むこっちとの二人旅ということ。4年前のドイツ大会の頃からすでに話は始まっていて、期間も前回とほぼ同様の2週間というところまでは大前提として決まっていた。(当初はもうひとり参加希望者がいたけど、途中でやめてしまった)
 どの街をベースに動くか。これもかなり早い時期から考えていた。というのも、4会場が集中するヨハネスブルク近郊は格段に治安が悪いということはだいぶ前から聞いていたので(現地の人いわく、「ヨハネスブルクはレベルがちがう」と……)、なるべくなら行かないようにしようと二人の意見が一致していたからだ。そうなると、比較的安全といわれるうえ、魅力的な観光地も多いケープタウンをベースにするのが賢いだろうということになり、昨年の12月、まずケープタウンまでの往復航空券を押さえた。
 日本から南アまでは、直行便のフライトがない。主だった経由地は、香港、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ドバイといったあたり。できれば南アフリカ航空に乗ってみたいということで、南ア航空が就航している香港経由にすることもかなり早くから決めていた(その他の空港は南ア航空ではなくそれぞれの国のキャリアを利用することになるので)。香港からケープタウンまでダイレクトのフライトはないので、ヨハネスブルクで一度乗り換えとなるが、いずれにせよこの航空券は、かなり早い時期だった関係もあり安く手配することができた。前回のドイツ往復(正確にいえば前回はオランダのアムステルダムIN/OUT)よりも数万円安く押さえられたくらいで。
 ここまでは、文句なしに順調。航空券を押さえると、さすがに「いよいよ南ア」という気分が高まってきた。
 年が明けて、実際に宿や各都市間(その時点ではダーバンやポートエリザベスの試合のチケットも持っていたので)の移動交通機関をキープする段になって、二人の間でひとつの意見が浮上した。すなわち、今回はとにかく危険との前評判が高い南アフリカであり、かつ当時は南ア国内のどこの宿も押さえるのが難しかった(通常の何倍もの額を提示する宿がほとんどだった)ので、それならいっそ、現地の事情に詳しい旅行会社に宿や交通機関の手配をお願いしてしまおうか、ということだ。
 ドイツ大会でもすべて自分で個別に宿や交通機関を予約したし、そもそもこれまでは海外旅行で旅行会社に宿などの手配をすべてお願いしたということがなかった。ただ今回は「やっぱり、南アだし」というのが頭にあったので、お願いしたほうが無難かも……と考えてしまった。
 そして、そこに大きな落とし穴があったのだ。(day0 後編へ続く)
 
 (16:38)