喜望峰

 憧れの喜望峰。やっぱり、南アフリカといえばここがいちばん行きたかったところ。ご存じアフリカ大陸の最南西端で、大西洋とインド洋を分ける、地理的にも歴史的にも価値の高い岬なのである。
 26日の朝、ケープタウンの街中からレンタカーで1時間半くらい走って、午前9時半すぎには喜望峰に近いケープポイントに到着する。ただし周囲は深い霧。見下ろしても下の海面が見えない濃霧だった。いやー、これは痛い、晴れるのは無理か……と半ば嘆きつつ、でもここへきたことに意味があるかと自分たちを納得させながら朝食をとっていたら、10時半頃になると霧が少しずつ晴れる気配。朝食を終えてレストランを出ると、先ほどまでは存在の気配すらわからなかった海が、そして喜望峰が見えていた。
 
喜望峰
ケープポイントから見た喜望峰。ここから歩いて30分強でたどり着いた
 
 ケープポイントから、体が飛ばされそうなほどに強烈な海風を受けつつ、トレイルを歩いて30分強。霧はすっかり晴れ、とうとう喜望峰に到着する。岬の突端から、見下ろす海。南に向かって、右が大西洋、左がインド洋、そして海のずっと向こうは南極大陸だ。さすがに、感動で身が震える。
 やっぱりね、ここまできたんだ、という感慨は、並大抵のものじゃなかった。なにせ喜望峰だし。バスコ・ダ・ガマだし。大航海だし。南アフリカだけでなく、これは地球観光のひとつのハイライトといっても過言ではないと思う。
 相変わらずの強風に吹きさらされつつ、しばしたたずむ。ふたたびトレイルを通ってケープポイントに戻ると、雲もどこかに吹き飛び、真っ青な空が広がっていた。
 喜望峰から離れる道では、「キケンだからエサをあげるな」の看板がそこらじゅうに立っているバブーンや、野生のダチョウに出くわす。30分ほど走って、こんどはアフリカペンギンの生息地として知られるボルダーズ・ビーチに到着した。
ボルダーズ・ビーチのペンギン1
 ペンギンがそこかしこにいて、手で触れられるほどのところをヨチヨチと歩いている。ペンギンってやつは、なんでこんなにかわいいんだろ。喜望峰をはるかに上回る枚数の写真を、ここで撮りまくった。夕方、宿に帰りついて、夕食はウン百グラムの牛肉と南アのワイン。腹十二分目になり、部屋に戻ってアメリカ・ガーナ戦を観戦したのだった。
 
ボルダーズ・ビーチのペンギン2
ボルダーズ・ビーチのペンギン3
 
 (南ア時間27日19:45)