北海道、6月

 先週末〜今週頭の北海道旅行のお話。
 「どっかへ軽く(1泊で)旅に行こう」そんな話になったのが、2週間くらい前のことだった。
 日程は、6月21、22日。この頃といったら、全国的に梅雨の真っ只中である。日本中のほとんどの土地で、きっとじめじめと雨に降られまくることだろう。
 その一方で、梅雨のない北海道の6月がいちばんいい季節であるのは周知の事実。われわれは迷わず、じゃあ北海道にしようということになった。
 マイルで2人分の飛行機を押さえて、いざ当日。早朝の便で新千歳空港に着くと、梅雨であることを忘れる爽快な晴れ!……ではなく、雨。しとしとそぼ降る雨。さすがに北海道なので湿気はあまりないけれど、とにもかくにも雨の中、先日書いたようにまずは社台SSを訪れて、それから一路、道央道をたどって美瑛に向かった。
美瑛の丘とケンメリの木 雨か、美瑛も雨か……と8割方あきらめていたけれど、しかしさすがは北海道。丘と木の町・美瑛に着いたら、ものすごくステキに晴れ上がっていた。
 なだらかな起伏の地形を駆け抜ける風が、なんとさわやかなことよ。ケンとメリーの木(写真)やセブンスターの木を回って、ラベンダーソフトクリームを食べて、拓真館で前田真三親子の美瑛の写真を見て、夕方、中富良野町の「SPAリゾートふらのラテール」に到着した。
 ここは温泉施設で、宿も併設しているところ。今回は初日に美瑛、2日目に富良野へ行こうと思っていたので、ちょうど中間にある中富良野に宿を取ったってわけである。
 宿としてもなかなかきれいで、露天風呂や内風呂の大浴場からはもちろん、部屋の窓からも十勝岳連峰が目の前に広がっている。部屋数はそれほど多くないので、全体的に静かなのもよい。宿に着いてまず温泉に入って、上がったら夕食の前にサッポロクラシックで乾杯して、そしてディナーでは富良野ワインをたしなんで……。料理もなかなかのもので、ゆったりと満喫したのであった。
ラテールの部屋の窓から見た十勝岳連峰 翌朝。さすがは夏至の北海道、4時前にはもう明るくなっている。窓からぼんやりと広がり始めた早朝の明るさに自然と目覚め、時を追うごとに色と空気を変えていく十勝岳連峰の勇壮な姿を飽きず眺めていた。
 いうまでもなく、朝風呂も敢行。朝食はバイキングで、これも北海道の幸を満喫。すばらしい。
 ラベンダーで知られるファーム富田はこの宿のすぐ近く。宿を発って真っ先にここへ向かった。咲き始ファーム富田のこだわりメロンパンめのラベンダー畑を散策して、芳醇な味わいの富良野メロンを頬張って、さらにさらに、べらぼうにうまい「こだわりメロンパン」も堪能。
 見てくださいよ、このとろりとろける富良野メロンクリームを。通常のメロンパンより100円高い250円ながら、これは絶対的に味わってみる価値あり。ファーム富田を訪れた際には、ぜひとも。
 この後、富良野麓郷へ。ここは「北の国から」が好きな人にはおなじみですな。いや、「北の国から」を一度も見たことがない僕でさえぜひ訪れたい場所だったから、やっぱり富良野を代表する観光地といってまちがいなしでしょう。
黒板五郎さんの石の家 黒板五郎さん(田中邦衛)がドラマの中で住んだいくつもの家が残されている麓郷地区。ログハウスあり、石造りの家あり(右の写真)、掘っ立て小屋もあり。ドラマを知らない僕でもひとつひとつの家が興味深く、時間を忘れて楽しめたのだった。
 とりわけ廃棄物で作り上げた「拾ってきた家」は、捨てられていた車のタイヤや窓、冷蔵庫といった小物だけでなく、路線バスの車体、スキー場のゴンドラまでも実にうまく活用していて、その工夫ぶりに感心しきり。再利用の知恵に素直に感動するのみならず、こういう家で暮らしたいなぁという建物もいくつもあった。中学生みたいな感想だけど、ほんとにシンプルにそう感じたんだから仕方ない。「北の国から」も、チャンスがあったら最初から見てみたいかもと、ちらっとだけ思ったし。
 夕方近くになり、新富良野プリンスホテル横の森の中に数々のショップが並ぶニングルテラスで買い物をして、最終便に乗るためふたたび新千歳へ。充実しきった1泊2日の北海道の旅を終えて、帰宅の途についたのでありました。ちゃんちゃん。
 
 (9:35)