宝塚記念

 <宝塚記念>(GI・阪神芝2200)
  ◎スクリーンヒーロー
 
 上半期の締めとなるグランプリレース、宝塚記念。ことしはアグネスタキオンの急死で、その孝行息子である昨年のダービー馬ディープスカイの人気がさらに高まりそうな気配だ。
 「勝って凱旋門賞へ」、これは秋の凱旋門賞をめざす有力馬陣営がしばしば口にするフレーズ。しかしながら実際に宝塚記念を勝って凱旋門賞に向かっても、いや勝つ以前にこのレースを使ってからぶっつけで凱旋門賞に挑んでも、あのディープインパクトすら本番ではいいところがなかった。
 やはりあのレースに臨むには、宝塚記念など使わず春が終わったらすぐに欧州へ運ぶのが大前提。さらにいえばエルコンドルパサーのように春自体をあちらで過ごし、あの軟らかい馬場にレース経験を重ねて慣れておくのがベストなんだろうと思う(そこまでしたエルコンドルパサーにしたって、凱旋門賞では2着止まりだったんだから、あのレースのハードルの高さは相当なものだ)。
 何が言いたいかというと、ディープスカイがもし本当に凱旋門賞をめざすなら、いや凱旋門賞勝利をめざすなら、安田記念後にすぐ、できれば安田記念すら使わずに、欧州へ輸送し現地滞在する作戦を迷わずに取るべきだったろう。そこまで踏み切れなかった時点で、凱旋門賞でのディープスカイの成績がほとんど見えてしまったような気もしている(そもそも、SS系というのがまず凱旋門賞に向かないと思うんだが、まあそれはそれ。もしディープスカイ凱旋門賞を勝つようなことがあったら、それはほんとにものすごいことだと思うんだが……。その意味ではブエナビスタのほうが期待度ははるかに高い。斤量が軽い3歳でもあるしね。SS系だけど)。
 長々と書いたけれど、ディープスカイ陣営の判断はかなり残念。たとえここで圧勝してもどうなのよ、と思ってしまう。思ってしまったからではないけれど(というより、凱旋門賞挑戦の話は宝塚記念とまったく関係ない)、ことしの宝塚記念、本命◎は昨年のJC馬スクリーンヒーローで。
 調教の出来はいまひとつ。輸送もたぶんあまり得意じゃないだろう。しかも前走は、距離が向かなかったにしてもあまりに負けすぎ。ハッキリいって買える材料はないに等しい。
 だけども宝塚記念は春の(あるいは夏の)グランプリ。ドリームレースだから、夢をかける買い方でいいでしょうよ。鞍上ノリさんも皐月賞惨敗から盛り返してダービージョッキーになったことだし、御祝儀馬券でもある。
 スクリーンヒーロー単勝と、スクリーンヒーロー頭の馬単3点(相手はサクラメガワンダードリームジャーニーディープスカイ)で勝負とまいりやしょう。
 
 (23:16)