夏は神田でそばがいい

 ゴールデンウイークの初め、富山からINO氏が遊びにきた。4月29日の夜のことである。
 まずはINO氏と、ちんめちゃん、ふぃを交えて4人で、南武線尻手駅そばの秋田料理屋「なまはげ」に食いにいった。この店、以前に何度も行ったことがあって、鍋が実にいい。この日もきりたんぽ鍋に舌鼓を打ち、飛良泉の山廃純米をはじめとして秋田の地酒に舌をとろかし、3時間くらいだろか、さんざ飲み食いして店を出たのであった。
 その後、いい気分の4人はわが家へ移動。ここでも用意してあった澤乃井の純米や、各種焼酎を酌み交わしながら、ひさびさ再会の話が弾む。やがて、終電の時間となって、家が近いふぃだけが帰り、INO氏とちんめちゃんはうちに泊まっていった。
 翌朝、ちんめちゃんは帰宅。INO氏は少しく東京散歩をしたいというので、一緒に出かけて、江戸城天守台が残る皇居の東御苑を巡り、昼飯は神田まで歩いてそば屋にした。
 これもINO氏のリクエスト。「そば屋で酒を呑むのが憧れだった」というので(そば屋で酒というのは北陸はもちろん関西にもなく、実は江戸東京の文化)、ならばと「神田まつや」にしてみた。
 明治17年創業のまつやはご存じ池波正太郎もお気に入りだった老舗で、僕も雰囲気が大好きな店なのである。初めて行ったのは、16、7年前だったか。
 右上の写真、奥がINO氏、手前が僕。そばみそや鳥わさをつまんで、お銚子を軽く2本。仕上げに、もり。昼だしこれくらいがちょうどいい。近くの甘味の「竹むら」には、今回は寄らなかった。
皇居のお堀
  
 と、そんなこんなのなかなかオツなゴールデンウイーク開始2日だったわけで、それから時が流れることほぼ3週間。本日は仕事で竹橋出張。
神田更科
 昼すぎ、腹がへったんで、ときをくんと町へ出た。外は真夏日的暑さ。こういう暑い日は一も二もなくそばだってんで、神田錦町の「更科」に入り、鳥汁せいろを頼んだ。
 そばは人生にどうしたって欠かせない必需品。僕はどちらかというと黒いゴワッとした系統のほうが好きで、更科の白いのはそれほど好みでもないんだけれど、鳥汁につけるのにはちゅるちゅるといけて、よく合った。両名とも二日酔いだったから、これにもよく合った。
 そば湯も堪能して、ふたたび暑い町へ。そばが最高に合う季節がやってきたのがまことにうれしきかな。いい季節だ。
 きょうはベイスターズも勝ったし、たいそうよい一日であった。
 
 (21:16)