ホッケンハイム!

 昨晩は結局、フランスに入り、ストラスブールで1泊した。大学でフランス文学科だったにもかかわらず、実は僕にとってこれが初のおフランス訪問なのである。
 アルザス地方のストラスブールは、フランスといってもドイツ国境からすぐ。アルザスというと「最後の授業」が有名だけれど、実際にフランスとドイツで何度も何度も取り合いが行われた地だ。
 ともかくそういう地勢だから、ドイツはむちゃ近い。今朝も宿を出て、ストラスブール自慢の大聖堂を見物したあと(これはまさに圧巻!)、中心部から1時間ほど歩いてドイツとの国境・ライン川に架かるヨーロッパ橋*1を渡った。
 フランスからの出国はノーチェック。前日のフランス入国もそうだったから当然か。ドイツに入る際は簡単なパスポートチェックがあったが*2、いずれにせよ古くから幾度となく戦ってきた両国の間とは思えないほどするりと行き来できる。まあEU全体、さらに広く欧州全体がいまでは多かれ少なかれそういう感じであるわけだけれど*3、日本と隣国との関係もこのようにいかないものかなぁ……などとアジアの現状をふと顧みたりもする。
 ともあれドイツに再々入国し、キールインドネシア風焼きそばを食べつつビールを飲んだあと、時間的にちょうどやってきた列車に乗車。今晩むこと合流するザールブリュッケンはもう遠くないので*4、バーデンバーデンでちょこっと降りたりしつつのんびり気分で北上していたら、カールスルーエマンハイムの間で気になる地名を発見。
 
 HOCKENHEIM
 
 ……おお、ホッケンハイム! 可能であれば行きたいと思っていたけれど、今回、「フランクフルトの南のほう」という以上の情報は調べてこなかった。なので、まあ次回でいいかと考えていたが、それが見つかり、しかもいま自分がいるところのすぐ近くにあるとわかれば、やはり行かないわけにはいかないでしょ。マンハイムまでいったん行ったあと、ローカル線の時刻を調べてカールスルーエ方面へ5駅、20分ほど南下。ホッケンハイム駅に到着した。
 陽射しが照りつける中、30分弱歩いてサーキットへ。かつて中嶋悟がここを激走して以来、森の中を突き抜けていくこのコースの雰囲気が好きで、機会があればいつかきてみたいと思っていた。それがようやく実現した形。レースは開催されていなかったがサーキット内からエグゾーストノートが聞こえてくる。開いているゲートから勝手に入ってみると、練習なのか走っている車が5台ほどあり、観客(?)はほかにも10人くらいいた。さわやかな風か吹き抜けるスタンドに座り、ゆったりとした。
 駅まで歩いて戻り、列車がくるまで駅前のスタンドでビール。暑い中、1時間以上歩いてきたという事情もあるだろうけれど、このとき飲んだEichbaumがむしょうにうまかった。
 ホームに入りマンハイム行きの列車を待っていると、時刻的にカイザースラウテルンにいるはずのむこから電話。なんでも、1・朝二度寝して寝坊した、2・マンハイムの駅で目の前に止まっているカイザースラウテルン行きの列車に勘違いで乗らなかった……と二重のミスを犯してしまい、時間までカイザースラウテルンにたどり着けなかったのだと(泣)。チケットは現地で入手する予定だったらしく持っていないから、遅れていく意味もなし。で、ちょうどマンハイムでお茶しながらテレビのイタリア‐オーストラリア戦を見ているとのこと。そんなわけでタイミングよくマンハイムで合流し、カイザースラウテルンの試合がイタリアの勝利で終わるのを見届けてからザールブリュッケンに移動。いまはパブでヴァイツェンビールを飲みながら、ウクライナ‐スイス戦を観戦している。まだ0‐0。延長もまもなく終わり。シェフチェンコ!。
 
 ホッケンハイム駅
 (ドイツ時間26日23:25)
 

*1:フランス語でPONT DE L'EUROPE。ドイツ語ではわからない

*2:チェコから入るときはもちろんだが、オランダからドイツに入るときにもやはりあった。これはW杯期間だからだろうか

*3:ドイツからチェコに入るときもパスポートチェックだけ。面倒なことは何もなかった。冷房が切られて暑かっただけ(笑)

*4:チェコからドイツを越えてフランスまで移動してきたのは、この合流地が近いという事情もある。地図で見てもらえばわかるが、ザールブリュッケンがあるドイツのザールラント州とフランスのアルザス地方は隣り合っている。ちなみになぜザールブリュッケンが合流ポイントに選ばれたかというと、むこがゲームを見るカイザースラウテルンのすぐ近くだからなのだが