期するところ

 2005年は、よく旅に行き、よく酒を呑んだ一年だった。
 酒に関しては、呑みすぎで内臓をこわした1996、97年頃以来の量だったろう。歯の根本治療を敢行して、以前のように存分に呑めるようになったという事情も後押ししている。そして、なんといっても蒲田の美ら島にはまり、そこをベースにさまざまな人と知り合えたことは大きかった。そうそう、酒ではないがことしは7月の後半に禁煙を成就したのが大トピック。もう5ヵ月以上が経つ。まさに大成功というやつ。
 旅は、ことしは沖縄方面に6回、京都に4回行ったのが多いところか。奄美諸島鳩間島八丈島佐渡など初めての島もあり、湯の小屋温泉、明治温泉や新潟・会津と雪深い土地も訪れた。どこもかしこも、また何度でも訪ねてみたいと思えるところだった。時間がいくらあっても、カラダがいくつあっても、足りない。
 ことし、どこかに出かけた回数がとくに多かったかといえば、けっしてそうではないと思う。2001年から2003年までは毎週末のように地方へ飛んでいたから、回数としてはその数年間のほうが圧倒的に多いんだろう。だけれどもその数年のそうした遠征については、旅という感覚があったものは少なく、むしろ自分的には“出張”と感じるケースがほとんどだった。その点ことしは、自分的に充実度が高かったように思う。1週間クラスで出かけた旅も5回ほどあった。旅先で知り合えた人がたくさんいたし、旅先で出会って東京でも会えた人もいる。
 2006年も、ことしのように充実した旅を楽しみ、うまい酒とうまい料理をもっと楽しみ、いろんな町を歩き、いろんな人と出会い、いろんな映画やいろんな本やいろんな音楽と出会い、そしてことしよりももっと成長していきたいと、2005年最後の日の夕方の僕はそう思っている。
 あとは願わくば、暗い出来事のない、明るい平和な地球であらんことを。
 
 ……で、タイトルの「期するところ」は何かって? まあそれは言わずにおきましょうか(笑)。
 
 
 (16:22)