三冠

 世間の競馬の話題はあしたの菊花賞一色。
 そりゃあそうでしょう。ディープインパクト、前々日売りで単勝100円。最終的には110、120円になるかもしれないけど、とにかくみんなが彼の走りに夢を抱いている。馬券的には記念として購入するという人が多いだろうし、どちらにせよJRAはホクホクだ。
 馬券云々以前に、僕は明らかに“競馬はロマン”派だから、ディープインパクトには史上2頭目となる無敗の三冠をぜひとも達成してほしい。かえすがえすもこの目で実際に目撃したかったけど、ダービーは見ているからまあよしとするか。
 
 競馬好きには改めていうまでもないけれど、皐月賞・ダービー・菊花賞を制するいわゆる“三冠”馬はこれまでに5頭誕生している。
 太平洋戦争開戦の1941年に日本初の三冠馬となったセントライト東京オリンピックが開かれた1964年、ほぼ四半世紀ぶりに達成したシンザン。この2頭については当然見たことはないから、話としてしか知らない。
 つづいて、最後方から一気の追い込みという派手なレースで沸かせた1983年のミスターシービー。この馬は実家の祖父(故人)が大好きで、当時中学3年だった僕もつられてファンになった。
 あくる1984年には2年連続で、しかも史上初の無敗三冠をシンボリルドルフが達成。さらに11年前、1994年のナリタブライアンと、以上の5頭である。このほか、桜花賞オークスと秋の3歳牝馬GI(かつてはエリザベス女王杯、現在は秋華賞)を制した“牝馬三冠”として1986年のメジロラモーヌ、2003年のスティルインラブがいる。メジロラモーヌは惜しくもちょうど1ヵ月前の9月22日に22歳で亡くなった。ナリタブライアンは1998年に早世。ミスターシービーも2000年に逝っているので、現在生きている三冠馬シンボリルドルフスティルインラブだけである。
 もともと自分的には、前々回の“皇帝”シンボリルドルフも、前回の三冠馬ナリタブライアンもあまり好みではなかったので、好きな三冠馬となると22年前のミスターシービーまでさかのぼる。僕がルドルフをあまり好きではなかったのも、おそらくはシービーの存在が大きかったから。
 史上2頭目の無敗三冠をめざすディープインパクトは、僕にとっては史上2頭目の「好きだと公言できる」三冠馬にもなるわけだ。
 
 とまあなんだかんだで三冠の話題になってしまったが、それはあしたのこと。本日は府中でマイルのGIII富士Sがおこなわれる。雨で馬場状態が気になるところだけれど、ひとまず予想はこんなところで。
 
 <富士ステークス>(GIII・東京芝1600)
  ◎コスモサンビーム
  ○マイネルレコルト
  ▲ダンスインザモア
  △オーゴンサンデー
 
 (9:38)