ゆきゆきて、高岡

 富山の高岡に泊まった。きのうの夕方、着いた。
 学生の頃から何かと縁があって好きな町。思えば昨年は一度もこなかった。なので、2003年以来。いままでは訪れるたびごとにどんどん寂れていくイメージがあった。けれど今回は、若干ながら上昇方向への気配を感じないでもない。若干ながら、ではあるけれども。
 駅前に「ウイング・ウイング高岡」なる妙なビルができていた。市長が代わったのをきっかけに誕生した建物らしい。2003年の初めにきたときはホテルニューオータニが進出しているのに驚いた。これはその前年の夏にきたときすでにあったのかもしれないが、そのときは駆け足で夜中にちょこっと寄っただけなのでどのみち気付かなかった。ホテルニューオータニの存在をハッキリと認識し、ロビーなどを歩いたりしたのは、2003年の2月にきたときだった。
 ……と、それなりに立派な施設が生まれているからといって、この町の寂れゆく基調が変わったわけではない。これが“地方”の現状ということなのだろうか。ただし、現在はピンポイント的に全国から注目を浴びてもいる。そう、ここは北陸のドン・綿貫民輔の地元なのだ。今次総選挙でどうなるのか、正直やや楽しみでもある。
 
 そのウイング・ウイング高岡できのうの夕方6時前、INO氏と待ち合わせた。
 合流後、近くの呑み屋「かめぞう」で富山湾の魚を食いながら呑み。ここは鹿児島の焼酎も豊富に用意されている店だが、やはりせっかく高岡にきたのだからということで、高岡の地酒「勝駒」を楽しんだ。近頃日本酒はまったく口にしていなかったから、その口当たりの甘さに最初はいくらか当惑もした。でも、うまいものはうまい(笑)。
 「かめぞう」を出て、つづいてはINO氏のリクエストで、最近オープンしたという高岡唯一の(たぶん)沖縄料理屋「沖縄元気料理」へ行った。INO氏は、ここにきて泡盛を呑んでみたかったがなかなか一緒にくる人がおらず、いままでこられなかったとのことだ。てびちや豆腐よう、海ぶどう、島らっきょう、タコライスなどをつまみに、菊之露の古酒と久米仙ブラックを呑んでいい感じに酔った。菊之露の古酒はまあいつも蒲田の美ら島で呑んでいる泡盛だから、酒好きのINO氏にも自信をもって推奨できる。
 さらに締めでINO氏の知り合いのショットバー「ダン」へ。スコッチのグレンフィディックをひさしぶりに味わった。そのあとはスコッチにベルモットを合わせた「ロブロイ」、ドイツの穀物蒸留酒・コルンにジャーマンウイスキーと生ライムを合わせたその名も「ジャーマン」などのショートカクテルをいただき、スタートから計6時間弱の呑みでかなーり酔って、かなーりステキな気分になった。
 ダンを出てから、気分にまかせてINO氏とともに夜の高岡大仏や古城公園を散歩。時計が日付をまたぐ頃にホテルへ帰ってきたのであった。
高岡・金屋町
 
 翌朝。つまり今朝。ホテルをチェックアウトして、高岡の町を歩いた。回数はけっこうきているけれど、町を歩き回ったことは実はそれほどない。高岡は銅の町である。高岡鋳物発祥の地・金屋町(右の写真)や、周辺の小さな路地などを、まあぶらぶらと歩いてきた。
 そんなこんなで高岡の町を離れ、いまは北陸線でふたたび西へ向かっている。 (12:55)