百合ケ浜

 楽園荘はきょうから東京の高校の修学旅行を受け入れるので、大忙しだ。
 
 きのうの話をしよう。午後2時頃、宿に着いて荷物を置き、食堂でお茶を飲んでいたら、宿のおばちゃんが「まだ潮が引いているからぜひ百合ケ浜に行ったほうがいい」ということで、グラスボートを出してくれるおじさんに連絡を取ってくれた。僕ひとりでグラスボート1台を占拠し、まず百合ケ浜へ。ここはウワサにたがわぬ美しいところで、海に浮かぶ砂浜でしばし寝っころがったり泳いだりしていた。僕が着いたときには他のグラスボートが2台きていて10人ほどの人がいたけれど、しばらくしたらみんな帰り、百合ケ浜も僕ひとりで占拠状態(正確にはグラスボードのおじさんもいるが)となった。天国にいるような気分だった。
 きのうは朝、徳之島を出てからずっと晴れで、与論もいわゆるピーカン状態。百合ケ浜でもずっと晴れていて、青い海と白い砂浜、そして言葉では表現しがたい色の海が本当に美しかった(下の写真)。そのうちおじさんがシュノーケルで潜ってみるかというので、百合ケ浜からちょっと離れたスポットへ連れていってもらった。このあたりからちょっと曇ってきたが、まだまだ荒れてはいないので素人でも十分に潜れる。シュノーケルと水中メガネ、ジャケット、フィンを着けて潜ると色とりどりの魚が僕のほうに寄ってくる。顔のすぐ横をひゅいっとかすめる魚もいて、まさに魚と一緒に泳ぐ楽しさを味わえた。夕方近くなって雲行きがさらにあやしくなり、海から上がって宿に帰還した。
 宿でシャワーを浴びて洗濯をし、夕食タイム。空は昼間の晴れがウソのように黒く曇り、遠くで雷も光り始め、やがてスコールのような豪雨になった。食事のあと、同宿のおばさん・おばあさん親子と長話をした。
 夜9時くらいに宿のおばちゃんに車で送ってもらって民謡酒場「かりゆし」へ。黒糖焼酎「有泉」を飲みながら、地元出身のメンバーを中心に構成される「かりゆしバンド」のライブを楽しんだ。歌が始まると客たちがカチャーシーを踊りだす。僕も引っ張り込まれて、一緒に踊った。いやほんと楽しかった。次回ヨロンにきたときも、かならずくるだろう。民謡酒場は那覇でも行ったけど、あの音楽を生で聴いていると、ココロが洗われる。
 23時頃タクシーで宿に戻り、宿にきていたタイ式マッサージのお姉さんと宿の息子さんと話した。島の話から、仕事の話、お互いの家族(元家族w)の話まで。息子さんは仕事の関係でときどき蒲田にくるという。いつも西口の某しょぼいホテルに泊まるそうだ。そのホテルの系列でやっている中華のランチバイキングにも行ったことがあると。世の中、どこでどんな縁があるかわかったものじゃない。とにかく何から何まで楽しすぎる一日だった。
 雨は夜遅く小降りになり、今朝も曇ってはいたが晴れていた。けれど島の東海岸をのんびりと歩いていたら、ぽつりぽつりと落ちてきた。宿の近くまで戻り、三線がうまいおじいさんの家に行って話を聞いた。こんどゆっくりときたら教えてくれるとのこと。与論島再訪の楽しみが、またひとつ増えた。
 いま、お昼のもずくそばを食べ、ゆっくりしているところ。雨はぽつぽつ落ちているけど、道端に寝っころがってこれを書いている。……と、修学旅行の生徒たちがやってきた。 (13:03)