悲喜こもごも

 受験の合格発表会場のニュースなどで「悲喜こもごも」という表現が使われることがある。「喜んでいる人もいれば悲しんでいる人もいる」という意味合いで使っているんだろうが、実はこの使い方、間違い。
 「悲喜こもごも」とは、漢字で書くと「悲喜交々」。この字を見れば想像がつくように、悲しみや喜びがひとりの人間の中で入れ代わり立ち代わりあらわれる状態を意味している。なので、上のように合格発表会場のニュースで使うのは不適切。ただ、ある人物が「合格したのはうれしいけど、めざしていた学校はここじゃないんだよなぁ。でも、合格したからいいか。でもやっぱり、ここじゃないんだよなぁ……」という心理状態になっていることを表現するなら、まあアリか(笑)。
 以前、日本語の誤用についてコーナーを作るかと書いたときに何も反応がなかったのでやめてたんだけど、こうやってときどき日記に書いていくぶんにはありかなとも思うので、ときどきやることにした。 (23:33)