平和の3本

 昨晩から今朝にかけては立て続けに、“平和”にまつわる映画を3本見た。最初がジョン・レノンドキュメンタリーイマジン ジョン・レノン」、次が画家をめざす若きヒトラーを描いた「アドルフの画集」、そして反戦映画の名作「ジョニーは戦場へ行った」。
アドルフの画集 [DVD] 「アドルフの画集」は初めて見た。スピルバーグが脚本を絶賛しながらもユダヤ人問題との絡みで製作には手を出さなかった一方、ジョン・キューザックはノーギャラで出演したというさまざまないわくつきのこの作品。ノア・テイラーヒトラーはかなり違和感があるけれど、まあ、こまかいとこには突っ込むなって話だ。狂気にめざめていくヒトラーをうまく描ききっているかは疑問の残るところもあるが、ヒトラーナチス、そしてあの時代に興味を持つ人は一度見ておくといい映画だと思う。
 「イマジン ジョン・レノン」は貴重なフィルムが満載で、ジョン好き、ビートルズ好きは必見の作品かと。ジョンについて語りだすと長くなるので、とりあえずこの辺で(笑)。
 「ジョニーは戦場へ行った」は、ダルトン・トランボの小説をトランボ自身が映画化したもの。有名な作品なので、見たことがある人、ストーリーを知っている人は多いだろうけど、いちおう書いておく。第一次大戦の戦場で負傷した青年が主“人”公。「負傷した」とは書いたが、彼の負傷は負傷なんてものじゃない。なにしろ両手と両足、目、耳、鼻、口のすべてを失い、けれど脳と性器は残った状態でベッドに寝ている。軍医たちは彼が「意識がない」と決め付け、そのまま生かしておく。自分が生きていることに気づいた彼は何かを伝えようとするが、当然ながら伝えるための手も、口も、何もない……想像しただけでも気が狂いそうになるこのシチュエーションだが、第一次大戦でそれに近い状態になったイギリス人将校が実在して、トランボはその話をモデルにしたというのだから、現実というのは本当に恐ろしいものだ。第一次大戦の終了からまもなく90年、そしてことしは第二次大戦終結からちょうど60年が経つというのに、いまだにこの地上からなくならない戦争。人間っていったい、何なんだ。
 
 で、気づくと今朝も杉崎美香さんの時間になっていた。
 きょうは昼頃から軽く仕事をしよう。 (5:45)