無限

「無限」に魅入られた天才数学者たち 無限ということに関する本なら、「『無限』に魅入られた天才数学者たち」(アミール・D・アクゼル・著、青木薫・訳、早川書房)がなかなか鮮烈でしたね。けっこう感銘を受けました。ちなみに原題は「THE MYSTERY OF THE ALEPH」。アレフとはヘブライ語のアルファベットの最初の文字のことです。*1
 「無限」に向き合った数学者ゲオルク・カントールの一生を軸に、無限の概念に挑戦した数学者たちの凄絶な生き様を描いた作品。内容的にはちょっぴり難しめなのかもしれませんが、自分的には案外すらすらと読めていきました(中で書かれている数学的な内容をどれくらい理解できたかはまた別の話)。マニュアル的な書籍が多くなっているいま、“作品”“書物”として読み応えのある一冊です。
 
無限論の教室 (講談社現代新書) 下で紹介した「時間は実在するか」と同じく講談社現代新書に入っている、野矢茂樹さんの「無限論の教室」。これもかなりおもしろかったですよ。
 「『無限』に魅入られた天才数学者たち」と違って、こちらはもっと肩の力を抜いて読める本。受講者が2人しかいない講義という舞台設定*2で、全編が対話形式で進んでいくので親しみやすく読みやすいのもポイントです。無限について楽しく考えられるでしょう。おすすめ。
 
ウルトラQ~dark fantasy~case12 [DVD] “受講者が2人しかいない講義”というと、昨年放送されていた「ウルトラQ 〜dark fantasy〜」第23話の「右365度の世界」が思い出されます。見た人はわかるでしょうが、前田愛が出ていた回ですね。量子力学系の話がベースになっています。ストーリーがなかなかおもしろく、映像的にも美しかったので、いちおうDVDに残してあります。べつに前田愛がどうこうというわけではなく(笑)。*3
 学校でやるような数学はまったくできないのですが*4、数学という学問自体については、やはりとても興味があります。「数とは何か」とか。
 「無限」も、そう。要は、哲学です。 (1:47)
 

*1:オウム真理教の「アーレフ」の由来もこの文字

*2:2人しかいないので、教室ではなく研究室で講義が行われることになる

*3:ちょっとはあるかも(笑)

*4:高校のときは、400人ちょいのうちで400番台(泣)