いつかは来る

 生きていて、日頃は意識の上のほうへ持ってこないようにしているけれども、いつかは来るだろうと半ば覚悟している物事がある。
 死? それはそうでしょう。自分の死であり、家族や親しい人の死でありは、やっぱり、考えないようにしていても、どこかで覚悟はしている。はず。
 ほかにも探せばいろいろあるだろうけれども(いつかは仕事もなくなるだろうなぁとか?)、その大きなテーマのひとつが、僕にとってはイチローの連続200安打記録のストップだったりする。
 いずれ来る。それがどういう形で訪れるかはともかく、いつか必ずやって来ることであるのは間違いない。
 それはもしかしたら、ことしの出来事になるのかもしれない。
 怖い。
 
 なんせイチロー、今季は開幕の4月こそ例年を上回る好スタートだったのだけど、5月に入って急激に失速。まったく打てなくなった。目を覆いたくなる絶不調ぶりは6月を迎えても止まらず、打率は3割どころか2割6分も割り込んでいる。
 そして肝心のヒット数。これも当然伸び悩み。4月の貯金があるからきょう時点で66本で、いま持ち直せばなんとか大丈夫。十分リカバリーはできる。けれどあと何試合か、ヒットの出ない日が続いたら……それこそ、ジ・エンドだろうな。
 いずれは途切れる連続記録。理想の形としては、あるシーズンを200本超えの記録更新で終えて、オフにそのまま引退する……というもの。自分の意思で記録が終了、というパターンね。
 反対に、できればあってほしくない形は、200本に届かずシーズンを終えて「限界だ」といわれること……そう、ちょうどことし懸念されているように。
 さみしいなぁ。いずれ来るとはもちろんわかってたけど、こんなに早くその危機が来るとはなぁ。
 考えてみれば、彼もことしで38歳だから。アスリートとして、いろいろ、厳しい年齢だろうね。現実。
 
 でも、祈ってますよ、僕は。まだまだ。
 
 (11:11)