群れる時代の行く末は

 我ながら、保証のない、不安定な仕事をしてるなと思う。
 会社員なら、倒産しない限り即クビということもそうそうはないと思うけれど、僕の仕事では、いつでもすぐに無一文になりうる。
 でもまあ仕方ないよね。そのフリーの仕事を選んで13年。満足とはいえないまでも、少なくともこれまでは食いっぱぐれることなくなんとかやってきた。そろそろ、仕事がなく収入もない立場を経験しなきゃならないときかもしれない、とか。
 でもね江戸っ子というか東京っ子というか、いずれにせよ元来が見栄っ張りにできている。その見栄っ張りと、これからの収入がなくなるかもしれない時代の暮らし方とを、いかに折り合いつけていくか。
 気持ち的には竹富町辺りの観光協会でのんびり過ごしていきたい気もするけれど、なんせもう四十を越えて、そう簡単に融通は利かなくなっている。いまさら雇ってくれるところもないとなれば、腹をくくっていまの仕事を続けていくしかない。
 いまの仕事を続けていくならば、たとえ金にはならなくても、何かしら、どうせなら自分の好きなテーマを突き詰めて、できることならある程度は形にしてからこの世を去りたい。
 群れたくないと思いつつ結局はみんなが群れてる時代に、何かしら、他とはちがう形に残ることを。せめてひとつぐらいは、と、心の中の熾火にふぅふぅと息を吹きかけ、空気を送り込むことに、まずは精力を注がなければと。
 
 (0:22)