泣いてどうなるのか

 本日は取材で神戸へ。
 神戸というとおしゃれな港町のイメージを持つ人が多いと思う。北野の異人館とか、スイーツとか、六甲から見下ろす夜景とか、素敵なカフェとか。震災、中華街、灘の酒、神戸牛、生田神社、オリックス……もちろんそれらもアリ。いろんなイメージがある街だね。
 僕としては、神戸のイメージでとりわけ強いのは「そして神戸」。そう、だからつまり、僕にとっての神戸はムード歌謡の、いや前川清の歌声なくしては語れないんである。
 僕はいつの頃からか「そして神戸」が大好きで、いまでもカラオケに行くと歌わずにはいられない。YouTubeで見つけた紅白などの映像を、10回20回と飽きず繰り返して見たりもする。奥さんにもいいかげん、呆れられる。
六甲駅そばのKFCから見た六甲の山並み どうして僕はこんなに「そして神戸」が好きなのだろう。いまこの真っ昼間、阪急六甲駅近くのケンタッキー・フライドチキンの窓の向こうに六甲の山並みを眺めていても、あの歌のメロディーはべつに頭の中に流れ出してはこないのだけど。
 あれだな。やっぱ、夜の神戸だな、「そして神戸」がしっくりくるのは。
 では昼間の神戸のイメージといったら? ……これが案外難しい。周囲が殺風景なポートライナーの車窓の景色とか、元町のWINSとか、そんな感じかな。たぶん僕は、神戸の街にいる時間は夕方以降の暗い時刻が多いんだろう。最近5年間を考えても、明るい時刻の神戸を歩いたことはほとんどないや。
 
 (12:46)