ゴムボールやきゅう

 昨日、すなわち総選挙の日の夕方は、友人たちと野球をやった。
 野球といっても、グラブとバットを揃えて、グラウンドを予約して借りて……とかそんな本格的なものではけっしてなくて、グニュっとやわらかい、いわゆるゴムボールを、プラスチックのバットで打つ野球。友人の息子さん(小学生)を交えて、オトナの男子3名、プラスうちの奥さんを含めた5人で、投げたり、打ったりした。
 台風11号が近づく悪天候の下、途中降雨による30分の中断を挟んで、午後3時から5時の2時間ほど、早稲田の裏の戸山公園でハッスル。幸か不幸か(たぶん不幸)丸一日以上経過した現在もまだ筋肉痛はやってこない。
 ともあれ、こどもの頃を思い出すようなゴムボール野球、楽しかったなぁ。ほんと楽しかった。草野球ですらない、草野球以前のプリミティブな野球遊び。これこそが野球の本来の姿でしょうと思った。僕らはこどもの頃、学校が終わって家に帰ったら、またすぐ集まって、近所の神社の境内や、あるいは多摩川の河原で、空が薄暗くなるまでゴムボール野球に興じていた。僕らの世代のオッサンは、間違いなく野球世代だった。
 かつての僕らがそうであったように、こどもたちが、ゆるく楽しめる野球。いま、そんな野球を夕方に楽しんでいるこどもたちの姿は、ほとんど見ることがなくなっている。それは野球人気の衰退と直結しているのかもしれないし、こどもたちをこどもたちだけでそうそう遊ばせるわけにもいかないという現代の社会状況とも関連は無縁ではないだろうと思う。それはたしかにそうだろうけれども、こどもたちが学校のあと、夕方に野球遊びをする文化が失われてしまったら、それはイコールで野球に対する興味の低減を意味し、ひいては日本野球の衰退につながるのではないかと、野球世代のはしくれの僕はいまこうして憂慮せざるを得ないわけだ。
 野球後はもちろん、みんなで呑んだ。野球後に合流した友人の奥さんも合わせて6人で、楽しい楽しい打ち上げ。新潟出身のオーナーが経営する店だったから、新潟の地酒もいろいろあって、何種類呑んだ。1軒目を出て近くで2軒目、さらに歌舞伎町で3軒目と呑み渡って、すっかり酔って家路についた。
 友人のこども世代が野球に興味を持ち、野球の楽しみを知ってもらえるならば、僕はこれからもいつでもこうして参加し、日本野球の未来に貢献したい。それは同時に、僕にとっても未来へ向けた大きな夢に、つながってゆくのだから。
 
 (23:49)