火事です、火事です

 きのうは下に書いたように、半日かけてまあまあ長い距離を歩き、ほどよく疲れたところへ鶴見の沖縄タウンと蒲田の美ら島で泡盛をそれなりに入れたので、酔いもほどよく回り、いつもより早い午前2時ちょっと前にはたいそういい感じでふとんにもぐり込んだ。
 おそらく数分で寝落ちした。それはたぶん2時ちょうどあたりのこと。このまま朝までゆったりと……と思いきや、そうはいかず、寝落ちしたまさに直後の午前2時10分、「火事です、火事です! 火災が発生しました!」というけたたましい女性の音声に目を醒まされた。
 飛び起きると、マンションの各部屋に設置してあるスピーカーから前述の声と、ウィーン、ウィーンというサイレンが鳴り渡っている。とてもじゃないが眠ってなどいられないデカイ音で、しかもこの警報は各部屋だけでなく廊下でも流れているから、それが近くのビルの壁に当たって日曜真夜中の静かな街に激しく響いている。
 とりあえず火元が自分の部屋でないことを確認して(それだとシャレにならんから)、軽く着替えてダウンをはおって外に出た。マンションは13階建てだから、たくさんの住人が前の路上に続々と下りてきた。近所のビルにいたのか警備員も何人かやってきた。そうして待機していると、火災を知らせる音声に「8階で火災が発生しました」という新情報も加えられた。路上の住人たちは8階を見上げる……が、どうもおかしい。8階はいたって静穏な様子で、煙も火も見えやしない。
 これはもしや……と思った。以前にもあったのである。ある部屋の住人が、浴室の扉を開けたままシャワーを浴び、その湯気に反応して火災警報が響き渡ったことが。シティホテルなどをよく利用する人にはなじみの仕組みだけれど、そうでない人にはわからないらしい。*1
 案の定、10分ほど待っていたら、今回の騒動の主らしき住人が出てきて、かくかくしかじかです本当に申し訳ありませんでしたとみんなに説明を始めた。まあ不注意はともかくとして、本当の火事でなかったのは何より。もちろん怒っている人もいたろうが、とりあえず住人たちはそれぞれの部屋へと戻っていった。部屋に帰ってもまだしばらくは例の警報が鳴り響いていたが。*2
 前回の同様の事件は、もう明るい朝の7時頃だった。僕は前夜からの仕事中で、締め切りやべぇなぁなどと考えつつ表に避難したことを覚えている。今回、真夜中の2時の火災警報というのはさすがに迫力があった。それがシャワーの湯気のせいとなると、これで次回このマンションの住人たちが「あれだろ、またシャワーだろ」などとのんびりして、大きな被害につながってしまわないだろうかと心配する。
 
 (23:07)
 
 

*1:ホテルによっては警報だけでなく、いきなり部屋中にスプリンクラーで水をまきちらすところもあるみたいだから、扉を開けたままシャワーを使うのはマジでやめたほうがいい

*2:当然といえば当然だけれどこの警報は部屋の住人には止めることができず、警備会社か何かの到着を待たなければならないらしい