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伊勢神宮・内宮入り口宇治橋の鳥居 多気から参宮線に乗り換えて寄り道、伊勢神宮へ。まず伊勢市駅に近い外宮(げくう)、つづいて内宮(ないくう)と巡ってきた(写真は夜が近づく内宮にて)。猿田彦神社などその他の神社は今回は時間がなくて寄れなかった。バスで伊勢市駅まで戻り、軽く伊勢うどんを食って、いまはふたたびJRの車中。これで津に出て亀山行きに乗り換え、亀山でまた加茂行きに乗り換え、加茂でさらにまた大阪行きに乗り換えて西へ向かう。
 紀伊半島一周の旅、本来ならこのまま伊勢湾沿いを北上し、名古屋に抜けてはいオワリ(……*1)でもよかったんだが、なぜ出発地点の大阪へ戻ることにこだわったかというと、実は大阪ではなくその先まで行こうと考えたから。
 今回、紀伊半島一周云々以前に、この日程で関西を旅しようと決めた時点で、ひとつ考えていたことがある。きのうは1月15日、きょうは1月16日。つまりあしたは1月17日だということだ。
「神戸に行こう」……そう思った。
 もう11年になる。あの地震で、東灘に住んでいた従姉はマンションの扉が歪んだ程度で生命は無事だった。けれど、勤務先の三宮のデパートは壊れ、その後の人生もいろいろと変わったようだ。
 そして僕自身にとっても、事情はここでくわしく書けないがあの地震(とあの年に起きたさまざまな大事件)をきっかけに、人生が変わり始めた。
 毎年、1月17日を迎えるたびに、僕は僕なりに考えていた。それはもちろん直接の被災者としてのそれではないけれど、間違いなく同じ国の、同時代者としてのそれではある。
 11年後、ことしは初めてその日、その瞬間に、その場所へ行って、考えてみたい。
 
 いま、もうすぐ津。神戸には今晩遅く到着する。
 
 (18:35) 
 
 

*1:書いた本人、シャレのつもりのようだ