性産業

 GGCから家に帰る途中、江戸そばで春菊天そばを食べた。
 江戸そばに入る直前、3人のアジア系の女の子(日本人だってアジア系の女の子なんだけど、まあ日本人でないアジア系の女の子)に立て続けに声をかけられ、腕をつかまれた。「もうカネないで〜」(なぜに関西便?)と言うと、「いくら持ってるの。安くするよ」と食い下がられた(蒲田では、いまだに腕をつかまれる)。「ごめんね〜。またこんど」と答えて、振り切った。
 江戸そばで春菊天そばを食べて店を出て、家に帰る途中、またしてもアジア系の女の子(日本人だってアジア系の女の子なんだけど、やっぱり日本人でないアジア系の女の子)に声をかけられ、腕をつかまれた(不思議なことに、男ってやつは、女性に腕をつかまれると、まあそう悪い気はしないものだ)。
 「もうカネないで〜」(だから、なぜに関西便?)と言うと、やっぱり「いくら持ってるの」と食い下がられた。しかもさっきよりさらに執拗に。「ごめんね〜。またこんどね」と答えて振り切って、それだけでは振り切れなかったのでもう一度「ごめんね〜」と言って振り切った。
 
 ああ、もうそろそろ4時半か。
 10分もかからない道のりを、ずいぶんとゆっくり歩いてきたもんだ。
 夜が明ける前に、家に入ろう。
 
 いままで36年間、ついぞ風俗というものに行ったことがない。
 一度も。
 
 (4:25)