ブルー・トリロジー

 結局、主役の子が「もとかりやゆいか」なのか「ほんかりやゆいか」なのかどっちか知る前に、今期のNHK朝の連続テレビ小説もまもなく終わり。ときどきしか見なかったけれど、けっこう見るたびに癒されたドラマではあった。
 アメリカ南部メキシコ湾岸には、先の甚大な被害をもたらしたハリケーンカトリーナ」につづき「リタ」が接近中。北米大陸の両岸にはリタを含めて現在5個のハリケーンが発生しており、また西太平洋つまり日本近海では台風17・18号が連続発生。メキシコ湾岸も日本近海も海水温が29度程度と高い状態を保っているため、またもや強力に発達する可能性があるようだ。
 アメリカといえば、今朝のトラブル旅客機の着陸生中継。パイロットにとってはまさに乗客・乗員全員の命をその腕に預かった、一世一代の大一番。いやほんと、すごいシーンだった。ちょうどそのときテレビを見ていたので、滑走路上で無事停止した瞬間、思わず拍手をした。
 
 昨晩は2ヵ月ぶりの「かりゆし」。
 僕が定宿にしている楽園荘は、かりゆしがある与論島唯一の市街地・茶花からちょうど島の反対側にあたる地区にある。いままでは夕食のあとに宿のクルマで送ってもらっていたのだけど、きのうは歩いていってみた。
 街灯が少なく、月がない夜の島の道は基本的に暗い。ましてや両側がサトウキビ畑に囲まれたようなところは、月明かりがなければ本当に真っ暗で、道がまったく見えない。
 きのうは、夜の遅い時間は月が高い位置にあったし、満月を過ぎたばかりなのでまだ明るかったのだけれど、9時前は昇っていないかあるいは低い位置にあったから、街灯がない道はマジ暗かった。懐中電灯を忘れたのでそういったところは携帯を開き、画面の光で道を確かめつつ歩いた。ハブがいないのでキケンなことはないし、ワクワク楽しかった。
 与論島の中央部にある小高い丘を越え、40分ほど歩いてかりゆしに到着。散歩としてはいい感じの時間だ。ただ、風はすずしいんだけれど島の風だから湿気が多いし、汗はかなりかいた。
 店に入ると1回目のステージが終わったところ(通常、一晩3ステージ)。ちょうど僕が座ったところにリーダーの田畑さん*1がきたので、しばらくお話しした。みやこさん*2が僕を見るなり笑顔で「あー、ひさしぶり」と言ってくれたのが妙にうれしかった(笑)。
 2回目、3回目のステージを楽しんで、みやこさんともけっこう話して、閉店の0時で店を出た。ここから帰るのもこれまではタクシーだったんだけど、今回は歩いた。くるときよりも月が高く昇って明るく、道はまあまあ見えた。空には雲がいくらかあって、月がその雲の陰に隠れると下界は一気に暗くなる。そしてまた雲が切れて月が姿を現せば、地上は平和に明るくなる。月の光で生まれた自分の影も、道の上にしっかり確認できる。
 月の力って、ほんとすごい。
 
 明けてきょうは、ヨロンを歩いて一周した。
 狭い島だけど、歩くとそれなりにある。昼間はやっぱり暑いので疲れたことは疲れた。でも、いい感じの距離感で、いい感じの疲れだ。
ヨロン東海岸の海 右の写真は、高台にある森瑤子さんのお墓から見た東海岸の海。このあたりはリーフがとても広く、かなり沖のほうまであの美しいエメラルドの色彩が広がっている。
 リーフ、その向こうの海、さらにその向こうの空。この3つの青の競演を見ていると、自分がここにいる幸福というものを感じてしまう。
 
 (18:39)
 

*1:田畑哲彦さん、三線・唄

*2:牧美也子さん、唄・太鼓