壁と背中と
わが部屋は、壁際にふとんを敷いている。
いつもはもちろんふとんの中央に寝ている。でも最近は時々、ふとんの端っこで壁に背中を押し付けて寝ることがある。
だいぶ昔の話だが、女の子を背中から抱いているとき、こうしているのがいちばん安心と言われたことがある。自分は男だし、からだも大きいので背中から抱かれたことなどないけれど、壁に背中を押し付けて寝ていると、その気持ちがちょっぴりはわかるような気もしてきた。
セックスとか、もう半年以上してない。もともとそんなに好きってほうでもなかったんだけど、最近はしたい気もあまり起こらない。さらに薄まったのか。あるいは、枯れたのだろうか。そのあたりはよくわからない。まあ、自分的にはこれまで十分したし、もういいやってところが少しはあるのかもしれない。
僕は実は風俗というのが好きじゃなくて、なんの自慢にもならないけれどいままで一度も行ったことがない。行きたいと思ったことも一度もない。
一度も行ったことがないのだから、好きじゃないというよりは、食わず嫌いなのかもしれないね。……でも、たしかに好きじゃないけどべつに嫌いってわけでもないから、食わず嫌いでもないか。
たぶん実際に行っても、嫌いにもならないけど好きにもならないだろうな。そんな気はする。気がするだけだけど。思い込みかね。ともかく、どういうわけか行きたいという気が若い頃から起きなかったのでね。興味がないというか。だから、行ってない。
妙なところでフェミニストなのかもしれないけど、それもまあ、よくはわからない。
そんなとこ。
(5:04)