天空ショーの夜

 きのうの夜は、ふたご座流星群のピーク。新月で空が暗く、雲もなかったから、最高の観測条件だった。夜中ベランダに出て、しばし見上げた。寒かったし、首も疲れたけど、たくさんの流星を見た。流星はやっぱりいいね。きょうは曇りだからちょっと厳しいでしょう。
 子供の頃から星好き。小学校6年の僕は東大の理学部天文学科に入りたくって、中学に入ったら一生懸命勉強しようと誓って(小学校から一生懸命勉強しようとは思わなかった。中学に入ってから、と)、障壁になるのは数学だけだろうと勝手に想定していたから、実際に中学に入ったら、数学の授業はちゃんとノートを用意して(たぶんほかの教科はノートとか作ってなかったと思う)、最初の最初の授業に背筋を伸ばして臨んで、しっかりノートを取った。だけども2回目の授業の素因数分解でちょっとつまずき、さらに3回目の授業で因数分解が出てきたらまったくなんにも太刀打ちできなくなってしまったので、東大理学部天文学科の夢はそのときにあきらめた。よーく考えたら僕は理系ではなく確実に文系だって、すでに小学校高学年のときには割り切っていたはずなのになぁ。一時の気の迷いで理系を目指しちまったよ、ほんのわずかの期間だけど。
 ともかくそんなこともあって、星好きはずーっと続いていて、いまでも沖縄の離島なんかに行くと、真っ暗な道路の上に寝っ転がって何時間も夜空を見たりする。流れ星も、べつに流星群がこなくたって、しばらく眺めてりゃ普通に何個かは見れたりするんだよね。
 
 で、きょうの終わりがもう近づいてるので流れ星の話はまたこんど。急きょ話変わって、オーロラ、見たことあります?
 僕はパリから日本へ帰る飛行機の中から、生まれて初めて見た。
 機内は、離陸して最初の機内食もとうに終わり、夜の時間帯に入っていたから消灯中。映画を見ている一部の人を除けばほとんどは寝ていた。僕の周囲で、映画のヘッドフォンもせずにぼんやり起きていたのは僕と奥さんの二人だけだった。だからだろうと思うけど、CAさんが近づいてきて、小声で「いま、オーロラが見えますよ!」と、僕らだけに教えてくれたんだ。
 窓から外をのぞくと、ぼんやりした緑色のオーロラが、たしかに真っ暗な空に浮かんでた。おー、おーおーと二人で感動、CAさんは笑顔で去っていった。CAさんサンクス!
 そのときのオーロラは、それほど大規模ではなくて、時間もあんまり長くはなかったんだけど、それでもオーロラを自分の目で見たのは初めてだったからうれしかったな。
 ことしから来年にかけては、太陽活動の関係で、オーロラを観測するには絶好なんだよね。ふとあのときの機窓のオーロラを思い出して、ああまたぜひ見たいなぁなんてちろり考えたら、もう23時58分。更新ボタンを押さないとあしたになっちゃうわ。
 
 (23:58)