M7.3

 地震がきたとき、僕は千代田区のビルの6階で仕事の打ち合わせをしていた。
 「ゆれくる」のお知らせが来て、これはくるぞ、と打ち合わせ相手と待機していたら、数十秒してゆさーっ、ゆさーっとビル全体がなめらかな横揺れで揺れ始めた。
 今朝Twitterで「きのう以来、震源が岩手→宮城→福島→茨城→千葉、と近づいてきている……」と発言したばかりでもあったので、どことなく地震への構えはできていた。とはいえ、これ以上揺れが大きくなったらマズイ(そのときいたビルは古く、昨年の3.11で一部が損傷して水が出たりしていたのもあって)と思い、天井を見上げ、落ちてくるものがないことを確認した。石巻や大槌や気仙沼で取材で会った人たちの顔が、頭の中に次々と浮かんできた。
 東北の最大震度が5弱で、津波の被害が出なかったようなのは幸いだったけれど、やはり昨年のM9.0の余震としてまだまだ大きなものがやってくるのだということを、改めて認識した。
 一時期、地震の数も規模もやや落ち着いていた。でもここ最近、また増えている気はしていた。そして直近では上のTwitterでも書いたように、震源が北から南へと近づいていたから、こんどはいよいよ南関東かと頭の中では覚悟していた。
 そうはいっても、実際に揺れ始めると、地震なんてこないでくれと本気で思う。マヤの暦がなんだとか言う人もいるけど、イヤでしょ? そういう人も、実際にきたらさ。
 
 でもまあ、相手は自然。何をどう言ったって、くるときはくるんだよな。そして、こないときはこない。結局のところ、すべては人知を超えたところにある。
 
 (23:41)