中年の星
マスコミは、言葉にはよくよく気をつけなければいけない。
男子ゴルフで初の賞金王を獲得した藤田寛之。ひとまず彼が成し遂げたことについては素直におめでとうと言いたいところだけれど、どうしても、ひとつだけ、気になって仕方がないことがある。
……それは、彼がメディアで「中年の星」と呼ばれていることである。
ちょっと待て。藤田くんは、僕と同じ年生まれ。ことし43歳。
そして、僕は早生まれ、彼は遅生まれであるからして、彼は僕の一学年下、僕は彼の一学年上ということになる。
つまり僕は、年次的には人生の先輩だ。
だのに、後輩の藤田くんが、マスコミに「中年の星」などともてはやされている。
その意味するところは、僕も、けっして星なんぞでありはせぬけれども、中年ではあるということである。
……傷ついた。
中年、か。
ということは、僕と同じ年で同学年の福山くん(龍馬)も、中年ということである。
中年。
中年。
ひとつ、自分と福山くんの名誉のために言っておく。
藤田くんは間違いなく、顔は老けてるよ。それも、かなり。僕も最初に見たときは、10個、最低でも5個以上は年上だと思ったもん。まさか同じ年生まれ、あるいは学年では下とはね……
だからこそ、堂々の中年にだって見える。それは間違いない。彼は、中年だと思う。どう見ても。
でも、福山くんは違うし、僕も違う(はず)。だからマスコミにズバリ「おまえは中年なんだ」と指摘されるのは、やっぱりあんまりいい気分とはいえない。ハッキリいって、心外ですらある。
オジサンのほうがまだいい。オジサンであることは、全然認める。でも中年は、キツイ。
中年といわれ、それを認めると、自分が中年であるという状況を強引に客観視させられ、気持ちはバリバリの中年どころか、それ以上にもなってしまうってもんだ。
しかし僕は中年ではないし、まだ中年ではないとうちの奥さんも言ってくれる。「じゃあ中年って何歳?」と訊くと、
「45歳かな」
どのみち猶予はあと1年と1カ月らしい……
それにしても、藤田くん、顔のこといろいろ言ってゴメン(笑)
(23:07)