二・二六の夜

 仕事で都心にきているわけなんだけれども、皇居の周りはすごい雪。しんしんと、降りつんでいる。
 二・二六事件を、当たり前だけど実際に見たわけじゃない。じゃないけれども、それはこんな静かな夜だったのかもしれないなと、お濠沿いの真っ白な道路を眺めながら、そんな想いが浮かんでくる。
 ああもうそんなにも昔のことなんだけれども、まるできのうのことのように、思い出す。
 そういう時代の、雪降りつむ深夜の東京を。
 
 (23:33)