西条といえば…

 午前7時16分京都発のひかりの車内はガラガラだった。金曜日。この時間じゃ京阪神から広島方面へ出張するビジネスマンはまだそれほどいないのか、のぞみではなくひかりだからなのか、あるいはそもそも京阪神から広島方面に向かうビジネスマンの絶対数が少ないのか。ともかくすいていたから、2列側の自由席を広々と使うことができた。らくちん。
 福山でこだまに乗り継いだ。レールスター車両で、グリーン車並みの快適シート。とはいっても乗車時間は30分ほどで、9時21分に東広島駅に着いた。東広島は山陽新幹線のみの駅で、在来線は通っていない。僕も降りたのは初めてのこと。
 昼の1時頃まではとにかく暑くて陽射しが強かったのに、2時前からにわかに掻き曇って、黒い雲から大粒の雨がボロボロ落ちてきた。もろもろ取材を終え、土砂降りをやり過ごす目的も兼ねて広島風お好み焼きを食い、雨が上がったタイミングで店を出て、午後3時前に西条へ到着した。
 西条は言わずと知れた酒どころ。なにせ“酒都”と呼ばれる町である。ことし4月にも訪れているんだが、今回の取材地が近かったので、図らずも(いや、図ったけど)5ヵ月ぶりの再訪となった。
賀茂鶴 今回はまず、前回訪問時に閉まっていて入れなかった賀茂鶴酒造へ。西条に着いた途端また黒雲がやってきて、雷の轟きとともに雨がこぼれ出す。賀茂鶴の蔵は雨と雷からのちょうどよい退避場所にもなった。
 外に出れば濡れるし、東京に帰る飛行機までも間がだいぶあったから慌てる必要はまったくなし。しかも蔵の見学コーナーには10種類超の銘柄が並んでいる。西条自慢のやわらかな銘水をお口直しのチェイサーにしながら、全種類しっかりと試飲してきた。
 広島空港は広島市内へのアクセスは遠くて不便だけれど、西条とか、竹原、三原辺りならそれなりに便利。西条からだとJRとバスを乗り継ぐものの30分もかからない。だからけっこう余裕こいていられるのである。
 まあそんなこんなで夕刻西条を出て、帰ってきた。広島空港では地ビール飲みながら宮島名物あなごめしの弁当を食って、さらに羽田到着後は美ら島に行ったりして、ね。
 
 (22:56)