超光速素粒子の衝撃
奥さんとふたり、北海道は早来の社台スタリオンステーション(社台SS)を訪れたのは、つい一昨日、21日の午前9時頃のことだった。これを書いている現在で、まだ60時間も経っていない。
春の府中開催で競馬場への同行回数も増えて、競馬のことがようやくちょびっとずつわかり始めたうちの奥さん。とはいえまだまだ超ビギナーだから、社台SSにいる名馬といってもディープインパクトくらいしか知らない。昨年まで走っていたメイショウサムソンで、やっと「聞いたことがある」程度。
だからこの日、僕は、放牧されているディープインパクト以外の馬、クロフネやキングカメハメハやダイワメジャーやトウカイテイオーやメイショウサムソンや、そしてアグネスタキオンのことについても、現役時代の戦績、種牡馬としてのここまでの業績、さらにはこれからの期待などについて、通り一遍のことは説明した。アグネスタキオンがダイワスカーレットやディープスカイの父ちゃんであることや、栗毛の馬の美しさも力説した。奥さんは説明されたことはたぶんすぐに忘れただろうけれど、一頭一頭をじっくり眺めては感動していた。
僕らは社台SSに1時間くらいいて、レンタカーで美瑛に向かった。美瑛の丘や有名な木をいくつも見て、夕方、中富良野のSPAリゾートの宿に入った。翌日(22日)は富良野を回ったのは、きのうも書いたとおり。
そして、今朝、アグネスタキオンの訃報を聞いた。
僕らが訪れた翌日の夕方、心臓まひで急死したとのことだった。
なんということだろう。本当に。
21日。僕らが訪れたとき、アグネスタキオンは、すぐ隣に放牧されているディープインパクトのすぐ近くに、長い間たたずんでいた。
その姿を見て、「ディープとタキオンは何か会話しているのかなぁ」と、僕らも話していた。この写真もそのときのもの(右がタキオン、左がディープ)。
タキオンはあのとき、具合がよくないよとか、ディープに伝えていたのだろうかね。
ともあれ、死の直前というタイミングで逢えたことには、やはり何かの縁があるのだろうと、そう感じずにはいられなかった。
「見学できる馬」に「アグネスタキオン」の名はもうない
(20:00)