I Like Fantasy

 柿ピーのお好みの比率はどんな具合?
 MYベスト配合は、柿の種3にピーナッツ1です。
 
 40歳になったけど僕の精神の根本はガキなので、いまもってファンタジーってやつが好き。
 ……いや、ちがう。そんなに好きでもないな。けっして好きってわけじゃない。
 好きってわけじゃないんだけども、その種の映画が公開されるとつい見にいってしまうし、テレビで放送されてもやっぱりつい見てしまう。
 オレはファンタジーが好きなのか?
 
 まあいいや。好きってことにしておこ。好きなんだろう。たぶん。
 
 柿ピーはビールと相性がいいが、インターバルとは相性が悪い。
 とりわけビールを飲みながら柿ピーをつまんでいると、インターバルというやつとは無縁の状態、口に突っ込んだ柿とピーをバリバリ噛んでこんどはビールを口に突っ込んだら、インターバルなしでまた次の瞬間には柿ピーを口に突っ込むことになる。そうする、そうしないという選択肢はこの場合にはなくて、知らずそうなっている。
 インターバルがないというのは、こどもが遊んでいるときと同じようなもの。やがて疲れて眠るまで……ではなく、やがて柿ピーがなくなるまで、インターバルのないこの運動は続いていく。
 もしそれが長時間続くものであれば一種のファンタジーになるんだが、幸か不幸か、柿ピーの一袋はさして多い量じゃない。だから立派なファンタジーに昇華せずに、ビールは次なるつまみを探すことになる。柿ピーの二袋目を開くまでの時間が、柿ピーが属性として持っている唯一のインターバル。逆にいうならこのインターバルを逃すと、柿ピーのファンタジーは永遠に続くことになる。
 永遠とファンタジー、そしてビール。初夏の夕暮れは日差しも風もおだやかだ。
 
 (18:28)