たったひとりで社会を動かす男

 昼頃から取材に出かけた。午後の早い時間に終わって、昼飯として立ち食い寿司を食って、それから家に帰り始めた。
 途中、アイリッシュパブの前を通った。惹かれた。ギネスを、あるいはキルケニーを、どちらか一杯、あるいは二杯……惹かれまくった。ビールは明るい時間に飲むのがいちばんうまい。これ、持論。まちがいない。
 でも、週末はけっこう呑んだし、きょうは休肝日にしようと起きた瞬間から考えていたから、ガマンした。
 ガマンして店の前を素通り。春の風と陽射しがさわやかな街を歩いて、最寄駅から電車に乗った。ちょうどホームに停車していた。間に合うか?と小走りで階段を下りていったら、余裕で間に合った。
 間に合ったどころじゃない。ドアが閉まる気配がない。そしたら、車内放送。いわく、蒲田と大森の間で、人が線路に立ち入ったとのこと。安全の確認が取れるまで、当然止まる。10分とちょっと、止まった。けっして長くはないけれど、まあ短くもない。
 その間、京浜東北線東海道線も動かない。日本の鉄道の大動脈のひとつが、動かない。
 最近、こういうことがしょっちゅうある。毎日通勤する会社員ではないのでどれくらいの頻度で起きているのかはわからないけど、数日に一回くらいの感じで電車外出すると、それなりの頻度では遭遇する。
 これ、ハッキリ言ってとんでもなくメーワク。これで大事な商談に遅れる人も、大切なデートに間に合わない人もいるだろうと思う。誰も弁償しちゃくれない。早く出ればいいといったって限度がある。みんなの時間を弁償してほしいくらい。
 でも……と思った。逆に考えれば、これってたったひとりの男(か女かわからないけど)が、社会を動かしたってことなのかも。より正確にいえば動かしたんではなくて止めたんだけど。
 どっちみち、スゴイことだ。どんな動かし方にせよ、たったひとりで動かした(止めた)んだから。だってこんなにわかりやすい形で社会をグワッと動かした経験、少なくとも僕は一度もないし。
 
 それでもやっぱり……とんでもない迷惑だ。そういう迷惑のかけ方、やめようよ。
GW、多摩川でみつけたシロツメクサ 
 競馬を予想してもそうそう当たらないし、野球の話はグチばかり。
 そんなこんなで最近は日記の更新回数が著しく減っていたけれど、またちょっとマジメに毎日書いていこうかな、とも思っている。三日坊主にならないように。……なったらなったでまったくかまわないんだけども。
 
 (23:03)