旅順

 到着したおとといときのうは現地在住の友人Kさんと大連をいろいろ回ったけれど、きょうは彼も仕事。そこで僕は朝からひとりで旅順のプチトリップへ出かけた。
 旅順は大連の街からほぼ40km。中国海軍の軍港都市であるためほとんどの場所が外国人立ち入り禁止で、日本人が通常入れるのはあの二○三高地と、乃木・ステッセル会談が行われた水師営くらい(事前に許可を取ればあと1、2ヵ所行けるらしいが)。英語が通じない大連の街でタクシーを拾い、超カタコトの中国語で行き先と料金の交渉を済ませ、片道1時間弱の旅順まで向かった。
二○三高地から旅順の街を望む 最初に、二○三高地へ。ここには日本語が話せるおじいさんがいて、まず写真を見ながら日露戦争旅順攻防戦の話を聞く。そのあとお店の人の土産物買え買え攻勢を「不要(プーヤオ)!」の連発でくぐり抜け、海抜203mの二○三高地に登った。実際に戦いで使われた薬莢を鋳造して造ったという慰霊塔がある頂上からは、旅順の街が一望にできる。天気がよすぎて霞んでいるけれど、写真はそこから見た景色。ここがあの旅順か、と感慨を新たにした。
 二○三高地を去り、つづいては水師営へ。建物は当時のものではなく建て直されたものだが、おそらく雰囲気は当時のままなのだろう(下の写真)。中に入ると土間で、入り口の右側が日本軍の、左側がロシア軍の控室。乃木希典ステッセルの会見は左側ロシア軍控室で行われたそうだ。
 水師営会見所
 
 旅順から戻り、メシなど食いつつ大連の街を散策。正月2日のきょうもまだ新年気分で、街はめでたい色の赤や桃色に埋め尽くされている。爆竹や花火の音も、数こそ少なくなったけれども、相変わらず大地を揺らせつづけている。
 早くも今晩は大連最後の夜。また何かうまいものを食えるらしい。今回の旅は飛行機運賃はマイル利用だからタダ、宿泊は友人宅だからタダ、食事もKさんと一緒のときは彼が全部出してくれているので、お金がほとんどかかっていない(笑)。ほんとお世話になっちゃってます。
 
 (中国時間16:01)