GO WEST!

 アルペン・男子回転(スラローム)。いや皆川賢太郎くん惜しかったね。
 わずか100分の3秒差で、メダルに届かず4位。残念。*1
 直後の本人のコメントによると「とにかく悔しい。なんとしてもメダルが欲しかった」とのことだった。たしかに残念だった。ほんとに惜しかった。でも、メダルを取れなかったことを本人がそこまで悔しがっているのだ。だから僕も、すばらしい滑りだったと安易に称賛の言葉を贈るのはやめようと思う。
 でも、やっぱりすばらしかったね。
 
 荒川さんがこのトリノ大会で金を取るまで、五輪での日本のフィギュアスケートのメダルは銀1個(アルベールビル伊藤みどり)だけだった。同様にアルペンでも、五輪のメダルはいまをさかのぼること50年前、コルティナダンペッツォ大会の男子回転で猪谷千春さん(現IOC副会長)が取った銀1個だけ*2。それ以降の50年はメダルはおろか入賞すらない。いや1ケタ順位さえなかった。五輪でのメダル獲得は、まさに日本のアルペン関係者の悲願であるに違いない。
 けれどまあ、今回は皆川くんが4位で、湯浅くんも7位。50年なかったのに、一気に2人も入賞した。だいたい、皆川くんは1本目が3位で、湯浅くんは2本目が3位。堂々たるものだ。佐々木くんだってまともに滑れていたらそれなりに上へ行けただろう(1本目8位だったし)。
 そんな彼らの滑りを見ていたら、メダルもそのうちいけるんじゃないの?とけっこう軽く思えてきた。岡部哲也がW杯で全盛期のトンバの2位になった頃も、木村公宣長野五輪でメダルを取れるんじゃないかと期待されていたときも、ここまで楽観的にはならなかった。まあなんだかんだいってまずムリだろうと思ってた。それが今回は、もっともっと現実的な未来として、感触がつかめてきた。
 このままレベルの底上げが進めば、4年後のバンクーバーには案外胸を張って「GO WEST」できるんじゃないの? ……そんな気がして、ワクワクしてきた。ああ、日本からバンクーバーは西ではなくむしろ東のほうへ飛んでいくって? まあ細かいことはいいじゃない。地球は円いから、西に飛んでもバンクーバーに行けるよ。
 それに、FISワールドカップになじんだ世代にとって、アルペンといえばやっぱりペット・ショップ・ボーイズの「GO WEST」なんだから!
 LET'S GO WEST VANCOUVER 2010!
 
 ……やべぇ、きょう僕はGO NORTHするんだった、、、ちっと寝ないと。
 
 (4:46)
 
 

*1:湯浅直樹が7位入賞。これもすごい。佐々木明は2本目旗門不通過で途中棄権

*2:このときの金メダルが、あのトニー・ザイラーである