「雪が降る町」

 いや降ってない。ちょこっと降っただけで雨になって、いまも雨。
 つまんない。もっとちゃんと降ってほしい。
 
 北海道に行きたくなった。
 実は1月に行くつもりでバースデーチケット取ってたんだけど、ちょいともろもろの事情により行けなくなって、キャンセル代半額取られた。バースデーのキャンセル代が半額というのはマジ高い。
 1月に行こうとしていたのは、旭川と、沖縄。行きの旭川までは、青春18きっぷの残りで行くつもりだった。で、バースデーチケットでは新千歳から那覇と、那覇からの帰りを押さえてた。
 旭川は、真冬の旭山動物園に行きたかった。白クマとペンギンを見るには冬がいいと聞いていたので、超ノリ気だった。まあ、結果的に行けなかったので、どうにもならなかったわけだけど。
 旭川というと、あまりに気温が低すぎて、雪が降る町というよりはもう氷の町。なのでこの「雪が降る町」は、ちょっと似合わない。
 きょうはここまで書いたように、0時前から1時間ほどは蒲田地区も雪が降ったりやんだりだったのだけれど、1時頃からもう普通の雨になって、いまも雨。すごく雨。すごくというより、強くはないけど普通にちゃんとした雨。やっぱりそれほど冷え込まないみたい。
 いつもそう。ただでさえ蒲田のあたりは都心(大手町)の気温よりいくらか高い。この“いくらか高い”という微妙な気温差が南関東程度の淡い雪には致命的で、都心のほうではギリギリ雪になっても蒲田では雪にならないことが多い。
 ひと言でいうと、雪に関していえば、蒲田という町はちょっとつまらない。
 
 そんな物足りない雨の中、いったん美ら島から帰宅して、テレビをつけて1時間半ほど経った午前3時過ぎ、どうしてももう少しだけ外で呑みたくなって、歩いて数分の「上海厨房」にやってきた。
 テレビをつけて1時間半ほどの間に、下に書いたように「H2」の再放送の最終回を見ていたわけ。で、最終回を見ていたら、あまりによかったので、そのまま家でじっとしてなんていられなくなって、家を飛び出してきた。かんたんにいえば、そういうこと。
 全然寒くない。上海厨房で青島ビールを注文。ちょこっと呑んで、またたいして寒くない雨が降る町に出て、先ほど帰ってきた。
 
 僕は、自分の青春というものを、いったいどういうふうに考えるべきなのだろうか。
 
   白い雪が つもるつもる
 
 白い雪などめったにつもらない、雪の予報が出てもこうして雨が降っている、東京の場末の情緒のないこの町で。
 
   あと何日かで 今年も終わるから
   たまには二人で じゃま者なしで……

 
 そろそろ、だよな。そろそろ。
 そろそろ。 <ユニコーン「雪が降る町」/1992年>
 
 (4:14)