田中勝春の13年半

 妙なところで予想が当たった。
 きょうの地方交流GI・全日本2歳優駿のこと? 勝ち馬は◎で的中だからそれもそうだけど、もうひとつある。それは12月11日の話にさかのぼる。
 この日、カッチーこと田中勝春は2歳GI・朝日杯フューチュリティSに有力馬ショウナンタキオンで臨んだ。新潟2歳Sを豪脚で圧勝し、それ以来の休み明けだったが3番人気に支持されていた。しかし、後方一気の同馬にとって厳しいスローペースとなり、結果4着に敗れた。
 僕はこのページの予想で朝日杯の本命◎をショウナンタキオンとし、それまで120戦続いていたカツハルのGI連敗記録がいよいよ止まることを期待した。世間でも「120連敗で止まるか!」という声がいたるところで見られた。マスコミでも話題にしていた。けれど、負けた。これでカツハルは、1992年の安田記念ヤマニンゼファーで勝って以来、13年半、121戦連続のGI負けとなってしまったのである。
 この夜はNHK大河ドラマ義経」の最終回でもあった。121連敗が成ってしまった瞬間を明治温泉の部屋のテレビで見た僕は、義経の最終回と引っ掛けて、日記にこう書いた、「きょうが勝春のGI連敗の最終回であることを期待しよう。カッチー、夜明けは近い!」と。
 ……そして、夜明けは本当に近かった。朝日杯の次のGI挑戦となった本日の全日本2歳優駿で、田中勝春は見事に勝った。
 地方競馬の交流GIにも帝王賞南部杯東京大賞典JBCといった大レースがあるが、全日本2歳優駿はたしかに最近GIに昇格したばかりのしょぼいGIレースである。中央でいったら格はGIII程度かもしれない。ましてや2歳戦である。それでも、このレースは現時点でGIはGIなのだし、中央には2歳ダート王を決めるGIがないのだから、このレースの勝ち馬が2歳のダートチャンピオンだということには変わりがないわけだ。レベルやなんやかやは別として、GIの格が付けられたレースをカツハルが13年半ぶりに勝ったことを、とにかくおめでとうと言いたいと思う。
 
 ただし、ひとつだけ大きな問題がある。
 カツハルは中央GIは92年の安田記念で1度勝っているが、地方交流GIは今回が初制覇。上にも書いたようにGIはGIなので、GI連敗記録自体にはストップがかかった。めでたい。……しかし、「121連敗中」という不名誉な数字は、実はまだ止まっていないのである。
 なぜかといえば「121」というこの数字は、中央(=JRA)のGIの話なのだ。今回、交流GIには勝っても、中央GIの勝利が92年の安田記念以降まだ達成されていない事実はそのまま残っているので、つまり121連敗中という数字もきょうの勝利によっては解消されないのである。
 でも、それもきっとまもなくストップすることだろう。今週の有馬記念には騎乗予定がないようだからムリとしても(泣)、来年こそは、中央GIを制覇してくれることと、心から願っている。
 がんばれ、カッチー!
 
 (20:36)