新聞なら“ヨロン狂騒曲”ってタイトルつけるだろうな、ってなこの数日

 お昼頃、ラフウォータースイム大会参加の御一行が帰り、静けさを取り戻した楽園荘より。
 
 きのうの話。
 きのうのヨロンは「ラフウォータースイム in 与論大会」の開催で、島中がお祭りのような感じだった。
 前夜のかりゆしバンド10周年ライブの打ち上げやその後の呑みですっかり泥酔し、起床は昼頃。めざめたら楽園荘の30人くらいのお客さんはもう誰もおらず、みんなスイム大会に出発していた。
 きのうも書いたように、宿のおかみさんやお手伝いの方々は夕方のビーチパーティーのため130食以上のお弁当&おかず作りで大わらわ。おかみさんに「今晩の夕食は茶花の海岸で」といわれた。なるほど、ビーチパーティー向けに作っているあのお弁当を、僕もいただくことになるわけだ。
 夕方、ビーチパーティーが行われる茶花の海岸に行ってみたら、どうもちょっとばかり様子がヘン。なんというか、こう、集まってくる人はすべて衣服に参加証とおぼしき小さなシールを貼っていて、ビーチの入り口に受付があり、それをチェックしている。僕はもちろんそんなもの持っていない。はて、と思ったが、ビーチの中には楽園荘のおかみさんやお手伝いの方々がせっせと働いている。その様子を少し観測して、なるほど、とようやくガテンがいった。これはそもそもがスイム大会参加者向けのイベントであって、僕は参加者ではないけれど、ビーチパーティーに潜入して参加者向けのお弁当を食べてくれというわけなのだ、と。結局僕は楽園荘から派遣されたカメラマンという臨時の役回りで会場のビーチに潜入成功(笑)。食事はもちろん酒にもしっかりありついた。めでたしめでたしである。
 そんなわけでこのビーチパーティーでは、まずスイム大会の順位発表や表彰式が行われた。食事をしながらの表彰式が進み、そのあと地元の三線グループの面々が民謡を何曲か披露。そして日もすっかり沈み、そろそろ8時になろうという頃から、(僕的には)メインイベントのかりゆしバンド登場となった。
ビーチパーティーで大盛り上がり 野外でかりゆしバンドのライブを見るのは初めて。いやむちゃくちゃなくらい盛り上がったね。ビーチに作られた小さなステージ上でかりゆしバンドが演奏を始めると、客たちみんなもステージに上がり、バンドのメンバーをぐるり囲んでカチャーシー大会。右の写真はその様子を携帯のカメラで撮ったところだけど、真ん中にいるバンドのメンバーは客たちに埋もれてもう田畑さんしか見えてない(笑)。ステージ後ろのセットに登る輩もたくさんいた。海と夜空とかりゆしバンド。野外ならではの醍醐味で、最高の時間はあっという間に過ぎた。
 
 8時半すぎ、かりゆしバンドの出番が終わり、ビーチパーティーも散会。これで大騒ぎだったこの一日もようやく終わり……なんてわけはない。このあと、宿や飲み屋で二次会に突入した人がほとんどだろうが、とくに半分以上の人々はそのまま民謡酒場「かりゆし」に流れてきた。ビーチパーティーのあと、かりゆしも通常より遅いスタートで営業を始めたわけだ。
 ただでさえ広くはない店内が、超大入り。その熱気は、かりゆしバンドが演奏を始めると当然ながらさらにヒートアップし、スイム大会に参加した若い世代が多いせいもあったが異様なほどの盛り上がりになった。近くでおじちゃんが「床が抜けるんじゃないか」と心配するくらい(笑)。10周年ライブにゲスト参加した佐渡山豊さんや高井愛さん*1も来店していて、愛さんは飛び入りで2曲披露してくれた。
 かりゆしバンドは日頃の3ステージ時とはまた違った特別構成で、けっこう長い時間、熱のこもった演奏を続けた。みやこさんは、ビーチパーティーでの演奏前に話したとき体調がイマイチと言っていたけど、それはそうだろう。ここ数日のイベント続き、しかもかりゆしバンドにとって大きな大きな10周年ライブがあり、相当疲労もたまっているはずなのに(それに加えて前夜の打ち上げの二日酔いもあったようだが(笑))、ほんと感謝感謝である。
 なんとか無事に床も抜けずにステージ終了。スイム大会参加の人々はドドーッと帰っていった。バンドの若いメンバーたちや店のスタッフも、三々五々に疲れた足取りで帰宅。このあとは2日間、店を開けず、休養に充てるそうである。
 閉店後、店に残った田畑さんとみやこさん、客6、7人で、軽い与論献奉*2もしつつゆったり話しながら呑んだ。みやこさんはもう見るからにグッタリとしていて、「いつもなら(酒の場では)いちばん元気になるのに、きょうはセミの抜け殻状態……」とつぶやいていた。ほんと、おつかれさまである。
 2時過ぎに店を出て、宿に戻った。
 
 明けて今朝、めざめるとスイム大会参加のみなさんは一斉に帰宅の準備をしている。僕はひとり遅めの朝食を取り、そのあと昼頃、帰る人々を見送りついでに空港へ行った。
 空港はさすがに大賑わい。しばらくしたらみやこさんと田畑さんも見送りにきた。きょうヨロンを発つ飛行機は、すべて満席となっていた。
 そうして、宿に帰ると、いつもののんびりとした楽園荘が戻っていた。
 そろそろ夕方。人がいなくなった静かな海を、ゆったりと眺めにいきますかね。
 
 (15:20)
 

*1:芸名(?)としては「たかいあい」さんだそうです。三重県出身で現在は名護在住。ゴスペルやジャズで鍛えたパワフルなボイスが魅力的

*2:よろんけんぽう。ヨロン名物の酒の儀式。簡単にいえば、主催者(親)が一人いて、まず自分が一杯干したあと、場の全員に有泉を回していくというもの。自己紹介なり挨拶なり何なりをひと言弁じてから呑むので、初対面の人でもコミュニケーションが深まるし、盛り上がる。主催者やメンツによってハードにもなるしソフトにもなるが、ハードなときはその場の全員が順繰りと親を務めることになるので、結果的にかなり呑むことになり、相当キツイ(笑)。この日の献奉は親の田畑さんから全員に一杯回しただけのソフトバージョンだったので、まあラク。ちなみに、基本は有泉だけれど、ほかの酒で回すこともある