あじさい

 きょうの鎌倉行きを思いつかせたのは朝の雨だったけれど、東京は午前のうちに上がっていた。北鎌倉駅到着は午後1時1分(時刻表どおりなのが気持ち悪いw)。その頃こちらは曇りで、円覚寺の境内を歩いているときはパラッと落ちてくることもあった。
 けれど、円覚寺の次に訪れたあじさいの名刹明月院では途中から晴れ。雨か曇りのあじさいを見にきたつもりだったので、その点は残念といえば残念だった。ただ、太陽にまぶしく光る白いあじさいはとてもきれいだった。この寺のあじさいはほとんどが七変化なし(らしい)の青なので、白いあじさいは陽が射すとかえってよく目立つ。
 明月院はさすがにすごい人。まあ、6月の鎌倉でいちばん混む寺だから仕方ない。それにもちろん、明月院あじさいは見事だ。
 あじさいは鎌倉で何も明月院だけにあるわけじゃない。考えようによっては、混雑している明月院よりすいている寺のほうが落ち着いて見られるという話もある。山門とマッチした円覚寺あじさいもとてもきれいだし、大仏で有名な長谷にある長谷寺長谷観音)のあじさいもきれい。あまりメジャーでないところでは瑞泉寺などいろいろな花が美しい。きょうは時間がなかったが、次回はぜひ瑞泉寺にも行こう。
 円覚寺はこどもの頃から好きな寺だった。いまひさびさにきても、やっぱりいい。大きな寺なのにあの静けさ、あれがいい。対照的に建長寺は、昔からどうもニガテ。なんというか、あまり情緒を感じない。
 円覚寺明月院でほぼ2時間を費やし、そのあと明月院から線路を隔てた反対側にある浄智寺へ。明月院とちがってこの寺にくる観光客は格段に少なく、静かだ。横須賀線の踏切と電車が通過する音が聞こえてくる以外は、鳥の鳴き声、風の声と、わずかに訪れる人の声、足音だけが耳に届く。さらに縁切り寺、駆け込み寺として知られる東慶寺を散策したら、時計はもう午後4時10分。寺には拝観時間というのがあって、今回の北鎌倉での終点と考えていた建長寺は4時半に門が閉まるはずだ。東慶寺から北鎌倉駅前に出るとバスがきそうな時間だったので、少し待ってバス乗車。1kmほど離れた建長寺に、ちょうど4時半に到着した。門が閉まるところで入れてもらい、境内を散策。きょうの建長寺は人が少なく(まあ、閉門後だから)、それなりに静かでよかった。
 建長寺を出て、鶴岡八幡宮まで1kmほど歩いた。この間はいわゆる鎌倉七切り通しのひとつである巨福呂(こぶくろ)坂切り通しで(正確にいえばその脇?)、いい感じのお店があったり、瀟洒な家が建っていたりと、雰囲気がよくてけっこう好きだ。普通の家の写真だって撮りたくなってくる。鶴岡八幡宮の大祓式蒸し暑くて汗たらたらで鶴岡八幡宮に着くと、何やら人だかりができている。カメラを構えているおじさんに尋ねると、きょうは6ヶ月に1度の大祓式なのだそうだ。ちょうど始まった大祓式を少し見て鶴岡八幡宮を去り、若宮大路をしばらく歩いて小町通りに抜け、喫茶店に入ってコーヒーを飲みながらいまこれを書いている。
 下の写真は明月院で撮ったあじさい。たくさん固まっているところの写真を載せてもよかったけど、それじゃちょっと当たり前かなと思って、孟宗竹をバックに撮ったやつにしてみた。あじさいと竹のコントラストが奥ゆかしくて、すてきだった。 (17:49)