5月23日の始まり

 こんな大都会・東京でも、日曜の深夜はちょっと静かである
 午前2時半。もんじゃをあれほどたらふく食べたにもかかわらず、この時間になると小腹がすいたので、駅前通りの江戸そばに向かった。車も人通りも、まあ普通にある。そういうのが完全に絶える時間というのは、駅に近いこの辺りでは基本的にない。それはそうなのだが、それでもやはり日曜深夜は「いくらか静かだ」とわかる程度にいくらか静かだ
 駅前まで歩いて3、4分。駅前広場の周囲はさすがに日曜深夜でもにぎやか。これも平日や土曜にくらべればいくらか静かだけれど、駅前広場以外の場所で「日曜深夜はいくらか静かだ」と感じるほどには静かでもない。人が多い。若い人から若くない人まで。コンビニの中は混雑しているし、コンビニの前にはやっぱり若い人たちが座っている。東南アジアのお姉さんもいつもと同じように何人も立っている。酔っぱらいも歩いている。タクシーがたくさん停まっている
 江戸そばに入ったときは、客は誰もいなかった。春菊天そばとミニカレーの食券を買って店の人に差し出すと、それらが出来上がってくるまでの時間に客が2人きた。連れではなくそれぞれ単独、ひとりはラフな格好の30前後の半分若いおじさん、もうひとりは30代後半くらいのオタクっぽいおじさん。席に座って春菊天そばを食べ始めてまもなく、さらに2人の客が入ってきた。この2人は見るからにタクシーの運転手。誰もいなかった江戸そばの店内が、深夜の2時40分には5人の客に膨れ上がっていた
 
 たばこの本数が著しく減っている。ここ最近、家では1本も吸っていない。家の外でも、ひとりで行動しているときは吸っていない。吸うのは誰かと食事したりお茶したりするときだけ。そのときの本数も、一昨日にくらべて昨日はかなり減った
 昨日は、府中の競馬場では吸わなかった。もんじゃ会でけんけんさんから1本もらって吸った。そのあとのガストで、3本吸った。計4本。家に帰ってからはまた吸わない状態に入った。江戸そばの行き帰りの歩く道でも、吸わなかった
 しばらくはこんな感じで、誰かと会っているときだけ少し吸う生活をつづけるだろう。そしてそのうち、まったく吸わないようになるだろう。家で、あるいは外でもひとりでいるとき、たばこを吸わなくても苦痛はいっさい感じないし、吸いたいという気持ちもほとんど起きなくなっている。あさってからの4日間の沖縄でも、きっとほとんど吸わないことだろうと思う。まあ、しばらくしたら普通にやめるだろう
 
 プール。何年も前から、プールで日常的に泳ごうと思っていた。沖縄から帰ってきたら、目の前にあるスポーツクラブのプールでそれをいよいよ始めようと思う。母親もそのプールで週に2回泳いでいる。母親の紹介でスポーツクラブに入るというのも、なんだかオツなものだ
 そう、沖縄。何度も書いているけれど、もうあさってには沖縄旅行に出かけるわけだ
 沖縄というと、いろいろな物事が思い浮かぶと思う。白いビーチに珊瑚礁の海とか、米軍基地とか、ハイサイおじさんとか、島唄とか、BEGIN、THE BOOM、DA PUMP、オレンジレンジ、夏川りみとか、沖縄アクターズスクールとか、SPEEDとか安室奈美恵とか、ちゅらさんとか、首里城とか、紅型とか、ハブとか、ひめゆりの塔とか、宮里藍とか、ヤンバルクイナとか、キジムナーとか、シーサーとか、ソーキそばとか、ちんすこうとかサーターアンダギーとか、泡盛とか、ゴーヤとか、タコライスとか、まあいろいろ、いろいろ
 僕的には、もちろんそういう物事も思い浮かぶけれど、最近とみに強いのは三線(さんしん)だ
 あの音を聴くと、ほんと癒される。楽器がもともと好きだからというのもあるけれど、三線には以前から興味があって、とくにことしに入ってからは本格的に始めてみたいと思っていた。それが今回の沖縄行きとドラマ「瑠璃の島」をきっかけに、さらに高まっている。1週間ほど前にmixiのほうに「いまほしいもの 三線」と書いたけれど、たしかにほしい。数日前にはネットで安い消音器付きの三線を探して、あやうく購入ボタンも押しそうになった
 ただそのとき思いとどまったのは、実際これから三線を始めるとして、どんなものを最初に買ったらいいのかわからなかったからだ。なのでひとまずは、三線の体験学習みたいなのを軽くやってみようかと考えている。那覇では15分や30分の体験教室がいろいろあるみたいなので、今回、時間をうまくつくれたら試してみよう。カンカラ三線という、まあカンタンにいえば空き缶製の簡易三線を作ったり弾いたりする教室もあるようだ
 このカンカラ三線、空き缶で作るというといかにも遊びやおもちゃの延長のように思われるかもしれないが、実は沖縄戦の収容所暮らしの中で作られたのが始まりという。日本で唯一、地上戦がおこなわれた沖縄。その歴史は、こういった楽器の中にも静かに息づいている
 それにしても、三線の音ってどうしてあんなにも落ち着くのだろう。 (3:43)